5. 菊練り
菊練りは、そば玉内部の空気を抜き、表面にある傷を一点に集めてコシを出す工程です。
左手親指をそば玉の中心部に軽く添えるようにしてそば玉を持ちます。
風呂敷で物を包むように、右の掌を中心に向かって内側に折り込む。
同時に、時計回りに生地を回転させ、折り込みをくり返します。
イメージはみかんの皮むきの逆廻しです。
しっとりなめらか、もちもち感が出るといいですね。
初期のそば玉は
水分と空気が粉粒同士の間に散在して、ゆるくくっついている状態です。
加圧によって粉粒同士が密着させるために、水分と空気を押し出します。
ポイントは上から直線的に押すのではなく、巻き込みながら押し、
空気を外部に出すという、効果的な技法です。
水分も外部へ出て行き、粉粒の密着が良くなり、玉の表面にしっとりした膜を作ります。
どんなプロフェッショナルも菊練りをしている、そんな先人の知恵です。